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パッシブという言葉は本来「消極的、受動的」とよばれる英語ですが、建築的には「自然に、環境に優しい」といった意味で使われます。対する言葉は当然ながらアクティブ、すなわち「器械的に、能動的に」といった意味です。分かりやすく言えば、太陽の熱や自然の風を利用して暖冷房を考えるのがパッシブ、設備機器を使って考えるのがアクティブ手法という事です。一昔前の日本の家はエアコンのようなものはありませんから、当然その土地の気候を知って、暑さ寒さ対策をたて住宅を建ててまいりました。自然のもつポテンシャルを生かすデザインは平成17年6月に出た「自立循環型住宅のガイドライン」にも第一に取り上げられており、住宅の快適生活や省エネには断熱・気密と合わせて取り上げねばならない重要な要素技術であります。もともとパッシブは曖昧な部分が多く、科学的な評価が出来づらい面があったのですが、コンピューターの発達とともに飛躍的に解明され次世代省エネ基準あたりから、積極的に取り入れられ始めました。PSP(パッシブソーラーポテンシャル)という言葉があります。北陸や東北のような太陽熱利用を余り期待できない地域もありますが、当地四国などは世界でも有数の日射取得地域であり、太陽熱利用効果が極めて大きいPSP区分地域にたくさん含まれています。それ以外にも日射の時間、方位、開口部などの要素も入ります。取り込んだ熱は蓄える技術も必要です。以上は冬の知識ですが、夏場や中間期のパッシブクーリングの技術、密集地に建てる家とそうでない家のパッシブデザインは違ってくるものになります。そのような様々な場合のアドバイスが出来ればいいなと考えています。

断熱リフォーム計画のアドバイス

「暑い家、寒い家」の対策には新築の場合は断熱・気密をしっかりして、日射の遮蔽や通風を考えていけばいいのですが、既築の建物の断熱リフォームは厄介な事であります。省エネ意識の薄い時代に建てられた住宅は建物に対する断熱の貧弱さと温暖地特有の大きな窓の対策がなされてなく、これらの改修には莫大な費用が掛かり、おいそれと出来るものではありません。断熱改修には高い技術と経験も必要になってきます。省エネ対策だけでなく、結露防止、特に見えない部分での内部結露は建物を腐らせたり、カビによる健康被害を引き起こすと大変です。中途半端な改修は危険が潜んでいると考えねばなりません。又、暑い寒いはエネルギーの浪費ばかりでなく、健康にも決していいものではありません。併せて健康性への配慮も大切な技術の一つになります。つまりは、専門家の意見をよく聞いて判断されることをお勧めします。しかし、費用を掛けないでできる事もあります。

弊社の提案はまず御自分の住宅の周りを見ていただき、自然のエネルギーの使える余地はないかを探索してみてください。夏の場合東西の窓に日陰を造るための障害物はあるか、なければ植樹は出来るかどうか、すだれや葦づは劇的に熱をブロックしますが、それ自体が熱を持ちますので窓から出来るだけ離すか、植物の出す水蒸気の蒸散効果を狙った緑のカーテンをその上にすることをお勧めします。次に風通しを見てください。涼しいところがあれば、そこから冷気を取り込むことが出来るか、窓を取り付ける程度は比較的簡単に出来ます。防犯上の処置をして、出来るだけ2階に向かって風が抜けると良いですね。駐車場の車の照り返しや道路の照り返しなども暑さの原因の1つです。これも植樹が有効です。特に大きく育つ落葉樹をうまく利用できれば、夏場は最高の断熱対策になると思います。冬場はその逆で、角度の低い(およそ夏は70度、冬は30度)太陽を部屋の奥まで取り込むような工夫と冷たくて強い風を出来るだけまともに受けない工夫が大切です。冬場は結露防止を特に注意してください。(結露をは結露防止のところみてください。)自然エネルギー利用をそんな目線で見てみて、対策をとることが出来れば、最も安上がりです。まずは家の外回りを点検する。ここらあたりからはじめてください。いづれにしても結露してカビが生えているというような場合の改修は、生活改善型で片付けず、家の健康はもちろんですが、人間の健康にも関わることですので、即、工務店や設計士さんに相談する前に弊社のような専門家にご相談ください。そこまで検討して費用の点や生活の問題で無理が分かれば、次に検討するのが機械の力を借りる事。つまり設備の取替えです。最近は技術の進歩が目覚しく、高効率な設備が出てきており、自然もだめ断熱もだめな場合は設備のアドバイスもさせていただきます。こんな風に家のリフォームを見直してみてください。意外と知らなかったことにでく遭わすことがあります。隣近所のことなど難しい問題もあります。悩んでないで相談してみてください。

結露防止を卒業!それから省エネ!

結露で悩んでおられる業者さん(設計事務所、工務店、不動産et)はたくさんおられます。しかし表ざたにはしたくないので、あまり表面には出てきません。

しかも、見えないところで結露しているケースは発見が遅れることが多く、気がついた時には時すでに遅く、腐れが起こり、カビがはびこり、其のカビをダニが食べる。そしてダニの糞が空中に、それを吸って喘息にかかる。マンションの例を挙げ、NHKで放送されたりしていました。木造住宅にも増えています。狂いの少ない新建材や木製のサッシから気密性のいいアルミサッシへ、又近年耐震問題で構造合板を使用するなど、気密住宅を意識しないで造ってもどんどん住宅の気密性能が上がってきています。これが増加の最も大きい理由です。リフォームを行い、カビをふき取って防カビ剤で抑えても解決にはなりません。結露がおこる基本を知らないでは根本的な解決にはならないのです。知らない人はいないと思いますが、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(品確法)の中の(性能表示制度)温熱環境は省エネルギーの事だけでなく、結露防止の性能も謳っています。もちろん瑕疵の対象です。むしろ順序は結露防止が先にあるべきだといっても過言ではありません。断熱材を住宅に使用する際に、まず、最初に気をつけなければならない事は結露を防止する手段を講じておき、それから省エネルギーを考えるという順序を間違えない事です。結露防止を考える上で、次は気温も湿気も高い方から低い方に向かって流れる(移動する)という原則を間違えないことを頭に入れておく。そして使用する断熱材の特長(特に水蒸気透過率、熱伝導率)を正確に把握しておくことが重要です。

つまり断熱の目的が冷房や暖房の節約にばかりに目を奪われ、断熱の性能を上げていきますと、表面の結露は起こりにくくなりますが(表面結露)、断熱材の表と裏の温度の差が大きくなり、室内の湿気が僅かな隙間から侵入して裏側の見えない部分で結露するのです。しかも断熱材そのものは大抵の場合湿気を通すものが多く、通しにくいものでも温湿度差が大きくなるほど水蒸気を通します。そして断熱材の中や裏側で結露が起こりやすくなるのです(内部結露)。

従いまして、冬場は部屋内つまり高温で多湿な側に防湿層を設けて湿気の圧力を下げる必要があるのです。これが原則ですが、木造の場合水蒸気が断熱層の中を通過しても外部に通気層があれば内部結露は起こらないと言えます。しかし気密や隙間と勘違いしてはいけませんので、原則論を心がけてください。詳しく勉強されたい方は南雄三著「すいすい解る結露の本」(建築技術)、山田雅士著「結露をとめる」(井上書房)を読めばOKですが、聞いてみるのが一番早いですぞ!

換気についてのアドバイス
 
トイレの換気は1時間にどれくらい換気するのか?まず今の大工さんは知りません。一戸の家でどれくらい換気すればいいのか?これも知りません。もちろん換気の必要性?と問われると・・・・臭いだろう!窓ガラスの曇り取り! ほこりも換気!窓を開ければいいんだ!しかしせっかく暖めたのに窓を開けるの?夏だって「暑い」ときたらクーラーを考えて、ほとんどの人は窓を閉めるよ!「エ”何ですって、窓を開けるのでは?」 今の時代は普通に家を建てても、隙間の少ない家が出来ているんだって!ホルムアルデヒドってアレルギーがこわいし、実際に多くの人がアレルギー症状に悩まされた。そこでシックハウス法ができ、換気は義務化もちろん器械で強制的に「ねばならなくなった」。建材のホルムの濃度が規制の対象になった事が大きく影響して、この問題は解決したかに見えたが、ところが法律は守ればいい、理屈もへったくれもない!何時もつけを払わせられるのは消費者です。次回はこのあたりを解明してみよう!

換気の目的は室内の空気を新鮮な空気と入れ替えることですが、空気を入れ替えると当然、熱も入れ替わります。そこでどの程度入れ替えれば適当かを、次世代省エネ基準で決めています。1時間当たり0.5回以上が良いと。もちろん省エネの目的でこの回数を決めたわけではないのです。それなりの科学的根拠に基づいているのです。(詳しくは南雄三著「高断熱・高気密バイブル」建築技術)例えばあなたの家の空気の量(体積)が300㎥だとすると、2時間で1回ですから300㎥入れ替えればいいことになります。つまり1時間に150㎥です。先ほどトイレの換気扇は1時間にどれくらい換気するか分かってないといいました。「トイレ用」と書かれているからトイレにつけているのです。実は1時間に50㎥とかかれているのです。これを3台回せば150㎥です。たったこれだけの量の室内空気を1時間かけて入れ替えるのです。そこでイマジネーションを働かせてください。トイレの換気扇は空気を出すだけです。汚れた空気を出したら、新鮮な空気を入れなければなりません。せっかく入れるのであれば、新鮮な空気の欲しい場所に入れてやればいい訳です。特に毎日寝る寝室とか、今話題のCO2の多いリビングとかです。ついでに出す側の場所も替えましょう!トイレは昔のようなことはありませんが、やっぱり臭いがイヤなのでそのままにして、お風呂の湿気やカビが気になるのでここに出口を一つ、なんと言っても我が家で最も体に悪い所と言えば納戸です。どうしてもここの空気は外へ出したい。と言うふうに150㎥を振り分ければいいのです。がしかし、そんなにうまくはいきません。風の強い日などはあの換気扇では逆流して換気など出来なくなります。又、トイレや風呂場や納戸やキッチンみな大きさも違います。風の当たる力も場所によって違います。安定的にどの場所からどれだけ出すかを考える必要が出てきます。集中的に一箇所で空気を抜くのです。1時間だけ換気しても意味がありません。常時、1時間150㎥の空気がしずかに流れている状態を作ってやるのです。臭いや湿気、ハウスダストや外から持ち込まれる化学物質の入れ替えは、人間の健康や家の健康にとって非常に重要な事です。換気の仕組みに答えられない家造りは今ではありえないのです。拙宅にも10年間モーターが止まることなく今も回っています。月額390円の電気代を捨てながら・・・・ああ言い忘れていました。シックハウス法で機械換気が義務付けられている前提で、隙間だらけの家は換気とは言いませんので、イメージされた方は悪しからずお許しください。隙間の少ない家には程よい気密はなく、換気の安定を求めるなら、限りなくゼロに近づけて穴を開けるのが正しいと考えています。